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最高裁判所第二小法廷 平成5年(し)64号 決定

主文

本件抗告を棄却する。

理由

記録によれば、本件は、公訴提起後第一回公判期日前に行われた勾留理由の開示に対し、裁判官において弁護人の選任がないのに開廷し勾留の理由を告知したのは違法であるとして、被告人から準抗告が申し立てられたものである。しかし、勾留理由の開示は、公開の法廷で裁判官が勾留の理由を告げることであるから、その手続においてされる裁判官の行為は、刑訴法四二九条一項二号にいう勾留に関する裁判には当たらないと解するのが相当である。したがって、本件準抗告の申立ては不適法であり、これが適法であることを前提とする本件抗告の申立ても不適法である。

よって、同法四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 藤島 昭 裁判官 中島敏次郎 裁判官 木崎良平 裁判官 大西勝也)

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